【カテゴリ新設直前】どんな動画を「バーチャル」カテゴリに登録すべきか

ニコニコ動画で7年ぶりとなる複数の新カテゴリ設置は、当初の発表では11月上旬に行うものとされていたが、
つい先ほどニコニコ窓口担当者ブログで確認したところ、「2018年11月1日(木)13時頃」に追加されるらしい。



マイページから跳べるインフォでは「11月上旬」のままというあたりがニコニコの妙なフットワークの重さを醸し出しているが、それはさておいて明日の13時頃追加となると、明日20時からのニコニコ窓口担当者による生放送よりも前に新カテゴリが実装される事になる。

この放送では「追加されるカテゴリのご紹介、カテゴリ追加や使い方」について話し、また「質疑応答の時間を設け」るとされてもいたので、私はこの放送を見、今カテゴリ追加にかかる疑問を解消した上で、追加されるカテゴリの扱い方について心を決めるつもりでいた。
そう言う人間は他にも多くいる事だろう。

しかしながら実際にはその放送に先立って新カテゴリが実装されるときた。しかもニコニコ窓口担当やニコニコインフォから改めて告知が出るでもなく(31日16時43分現在)いきなり、だ。

これでは私のような、上旬実装と聞いててっきり明日の放送で実装ペースが公表されるものと思っていた人間は、ろくに準備も出来ないまま新カテゴリ時代に晒される事となる。
今ざっとTwitterやらニコニコ大百科やらを確認したが、明日の昼に追加される事に気づき言及している人間は皆無だ。私自身とある非公開空間で某氏が15時頃にたまたま気づかれていたのをその一時間ほど後に確認したばかりだ。
このままでは明日の混乱は免れ得ないだろう。

前置が長くなったが、この記事は「バーチャル」を含む新カテゴリの追加が明日11月1日の13時に行われる事に一時間ほど前気づいた私が、
明日20時の放送を見てから纏めようと思っていた「バーチャル」カテゴリの扱い方についてのあれこれの疑問・考え等を取り急いで書き連ねたものである。

何分取り急ぎなので色々と粗のあるのはご容赦願いたい。現時点では18時頃までにこの記事の投稿を終えたいと思っている…

「バーチャル」というカテゴリ名について

そもそも私は「バーチャル」というカテゴリ名をバーチャルYouTuber関連動画の投稿を想定したカテゴリに用いる事に強く反対していた。私は今年初めからVTuberを追い始めニコニコでも多くのVTuber関連動画を見てきた一ユーザーとしてニコニコ動画カテゴリ検討Slackに参加しており、そこでの意見を纏めた文章の募集にも応じたのだが、その際の意見文で私は下のように述べている(ニコニコ窓口担当者ブログの記事で全文が見れる)。

・名称について
 【要旨】
 VTuberカテゴリの名称について、「バーチャルYoutuber」「VTuber」が商標上の問題から採用しづらいこと、カテゴリの範囲を広く取ることで忖度性を持たせ周辺界隈の含有を図るなどの理由から、8月上旬までに「バーチャル」が推されました。
 この節は、かかる意見に反対するものです。
 第一に、「バーチャル」という単語は、「バーチャルYoutuber」と比較した際に著しい過不足(過剰と不足の両方)を持つものです。第二に、VTuberカテゴリの名称は、「バーチャルYoutuber」という単語と同義か、将来的に同義となり得る単語でなくてはいけません。第三に、それ故「バーチャル」はVTuberカテゴリの名称とすべきでなく、別途「バーチャルYoutuber」と同義となり得る単語を発見、採用する必要があります。

この後上記の主張に関する根拠を述べているのであるが、第一・第二論についての記述を要約するとこうなる。

この部分では、バーチャルYouTuberのカテゴリ化という着想を汲むカテゴリ設置論において、「バーチャル」という語がVTuberの示すところと比べ意味の範疇を大きくとるのが問題であると述べる。

「バーチャル」という単語の過剰については、リオ五輪の閉会式やVRゲームの体験動画などが含まれうる事が例として挙げられます。
範疇の過剰によるものでは、「ニコニコ技術部」等のカテゴリから既存のVTuber文化と関係のないVR/AR関連動画が流入する現象が予測されます。例としては「VR空間で初音ミクになれるアプリ作ってみた」と言った類の動画が挙げられます。

また、バーチャルYouTuberはその文化的抱擁性・語の忖度性から、すでに(VRやその他技術的な意味でのを含む)バーチャルという語の示すところから外れる物事を含有しており、それらを含んだバーチャルYouTuber文化を「バーチャル」カテゴリに所属させるのは不適切であるとも述べている。

VTuberは”単体として見た場合には”バーチャルと断言できない概念となっているのです。VR技術を使用しているVTuberであれば、単体でも文句なしにバーチャルと言えるでしょうが、複数枚の止め絵でアバターを表現している場合はどうでしょうか。
 実際にそのようなVTuberが存在し、あるVTuberプロジェクトに参加を認められていますが、アバターを持つゲーム実況者などと当該VTuberの区別は、少なくとも一般的なバーチャル/非バーチャルの区別をもってそれ単体でなされるものではなく、現在までのVTuber文化の下積みによるものと思われます。こういった場合、当該VTuberの動画が「バーチャル」に関連するか否かについて、客観的に何かしらの確証を得られるものではありません。
範疇不足によるものでは、ある単一のVTuberを一タレント/キャラクターとして扱った動画(MAD等)には、「バーチャルYoutuber」とは関係していても「バーチャル」とはあまり関係のないと思われるものが多くあり、これが論争を生みます。

これらの意見の内、後者の範疇不足について述べた部分については、「バーチャルユーチューバー、バーチャルアイドルなどバーチャルキャラクターの動画、二次創作動画」を該当させるものとして「バーチャル」カテゴリが実際に設立される以上、語としての矛盾は甘受して「バーチャルYouTuber」を「バーチャル」カテに属させざるを得ないだろう。
しかしながら前者、カテゴリタグの意味の範疇が大きい点については、この記事の本題である「どのような動画を『バーチャル』カテゴリに登録すべきか」という事を考えるに当たって、目を向けるべきであると思う。

なお先ほどの引用文の第三論部分については、「バーチャル」に代わるカテゴリタグ名の案を述べるものであったので、今となっては無用である。
またこの意見文中で私は「YouTube」と書くべきところをことごとく「Youtube」と誤記してしまっているのだが、その点は、どうか無視して頂きたく。

VTuber以外のVR関連動画は「バーチャル」に投稿すべきか?

ニコニコ窓口担当者ブログ上のFAQに、「バーチャル」カテゴリについて、こうある。

▶カテゴリ名『バーチャル』
バーチャルキャラクターを使った活動や、二次創作の動画への使用を想定しています。
参照:ニコニコ大百科『バーチャルYouTuber』

Q7. バーチャルの幅が広すぎて該当する作品がわかりません。

バーチャルユーチューバー、バーチャルアイドルなどバーチャルキャラクターの動画、二次創作動画であれば該当すると考えます。

公式にはバーチャルキャラクターを「想定」し、VTuberバーチャルアイドル(えのぐやGEMS_COMPANYが堂々と所属できるわけだ、これは喜ばしい点)の関連動画が「該当すると考え」ているが、カテゴリの広さの限度については明言していない。

これが意味するのは、今後「バーチャル」カテゴリに投稿される可能性の高い、ニコニコ技術部系ないしVRゲーム実況系(来月22日にはPlayStation VRに対応した絶体絶命都市シリーズ9年半ぶりの新作が出るらしい)の動画について、所属を否定する根拠を公式に何ら見いだせないという事だ。


"追加された後の"新カテゴリに興味を持つ人間は、必ずしもそれが追加されるに至った経緯や、運営者が想定する使い方などをいちいち調べてくれるわけではない。一覧から当てはまりそうな名前を見つけ、クリックするだけだ。
VTuber系以外の「バーチャル」動画の存在を公式に否定できないならば、若干の反発はあれど、それらは事実上認められてゆくだろう。

あなたがもし、上記のようなVTuberと関係ないバーチャル動画の投稿者で、にもかかわらず運営者の「想定」をわざわざ調べている勤勉なユーザーであるのなら、気にかけるべきは「他者の動向」でしょう。
あなたと同じ種類の動画投稿者の中ではあなたのような人は恐らく少数派で、結局のところ、VTuber視聴者からの反発の程度であるとか、あるいは運営が何か明確な態度を示すかとか、そういった他者の反応でほか多数が投稿に選ぶカテゴリが決まってくる。であるからあなたの見るべきは他者の動向、VTuber視聴者や運営や同志がいかに動くか、なのです。

もしそんなあなたが「明日」動画を投稿しなければならないなら……ご愁傷様です。
あなたは明日の空き時間を自分(達)の動画への反応を見る事で潰す羽目になるかもしれない。

バーチャルYouTuber」タグは今後も付けるべきか?

上記の通り、「VTuber系以外の『バーチャル』動画の存在を公式に否定できない」状況が続くと思われるので、動画の被検索機能を失いたくなければカテゴリタグ「バーチャル」と併せて今まで通り「バーチャルYouTuber」のタグを付けておくべきであると思う。

これはこのまま運営者がなんらVTuber系以外のバーチャル動画について拒否の意を示さなかった場合の話であって、運営の動き次第で状況が変わる可能性はある。しかしながらこの様子だとすぐには無理だろうから、今後について希望的観測を持つにしてもやはり当分の間は「バーチャルYouTuber」タグを併用すべき事に変わりは無いだろう。

VTuberが他カテゴリに相当する行為を行う動画はどこに登録すべきか

既に、バーチャルYouTuberが「歌ってみた」り、「実況プレイ動画」を録ったり、「政治」について語ったりするケースが多数見られており、これらについて「バーチャル」カテゴリに移動すべきか否か考えねばならない。

もともとこのカテゴリ「バーチャル」の設置、もといバーチャルYouTuber関連動画の所属を想定したカテゴリの設置に当たっては「『エンターテイメント』『その他』『例のアレ』等に分散したVTuber動画を集約する」という意義が元にあり、それら3大ごった煮系カテゴリ以外に既に所属できている動画が「バーチャル」へ移動する現象が起きるとすればそれは大元の意義と矛盾するものであって、平たく言えば、混乱を生む

さらに言えば、「歌ってみた」「実況プレイ動画」等に動画を投稿しているVTuberには所謂企業勢も複数含まれており、これらの扱いについて各社で足並みが揃わなかった場合、同業他社同士で奇異な友好関係が築かれているVTuber産業界において何らかの不和現象を誘発する可能性も否めない。

これらの事から私は、「歌ってみた」「実況プレイ動画」「政治」など非ごった煮系の他カテゴリに所属しうる動画については、無理に「バーチャル」に投稿する必要はないし、特に既存の動画については移動すべきでないと考える。

なお私は先の意見文中でも

既に上の”ごった煮”カテゴリと棲み分けされている動画群が現在所属するカテゴリから切り離されますと、もとのカテゴリ・VTuberカテゴリ双方への悪影響が生じる可能性があるので、前にどなたかがSlack上で仰っていた「VTuberが登場する動画であっても、歌ってみた、実況プレイ動画、政治、MMD(筆者注:別途MMDカテゴリ設置議論あり)など他カテゴリに属しうる要素を持っている場合必ずしもVTuberカテゴリに投稿する必要はない」という方針はこれを決定し、何らかの方法でユーザーに明示して頂きたく思います。

このように述べていたのだが、今のところこの問題に関連するかもしれない公式からの指針は、以下のみである。

Q5. バーチャルアイドルMMD作品はどのカテゴリに登録すればいいですか。


動画の趣旨によってお選びください。また、最大3つまでカテゴリタグを設定することもできますので、ご活用ください。なお、ランキングに集計されるのは所属カテゴリタグだけです。

これを拡大して考えて、「VTuberが登場する動画であっても、他カテゴリに属しうる要素を持っている場合必ずしもVTuberカテゴリに投稿する必要はない(動画の趣旨に従う)」という捉え方が出来ない事は無いが、やはり少々無理のある解釈ではある。

ニコニコ運営には、可及的速やかにこのQをMMD以外のカテゴリにも適用できるよう拡張して頂きたい。

あとがき・雑記

何と言うか、まさかいきなり明日から実装されるとは思わなかったというのが正直なところ。この記事が色々と雑なのもその所為である。
もう少し事前に情報が欲しかった。

そういうわけで本当に急ぎ足で書いたため、誤字脱字や表現、書式のチェックが十分に出来ていない状況である。ので、公開後いくらか修正、ないし追記を行う事があるかもしれない。追記については恐らくそれとわかるように書くだろう。

18時頃までに投稿したいなどと言っておいて20時近くまでかかってしまった。18時47分に下書き保存と間違って一度未完成で投稿していたので、すぐ下げたとはいえその瞬間に閲覧していた方がいれば申し訳ない(このブログの被閲覧頻度からして居ないとは思うが)。

追記

11月7日、インフォ及び窓口担当者ブログにて以下のQを追加していただけた。

Q10. 「〇〇」カテゴリに投稿していい動画はどのようなものですか
この動画のカテゴリは「〇〇」でいいののですか

今回追加した5つのカテゴリを含む全カテゴリの使い方は、ユーザーの皆様にお任せしています。カテゴリの選択に迷った場合には、もっとも動画の趣旨に近いと考えるカテゴリを選択することを推奨します。(2018年11月7日追加)
対応に深く感謝すると共に、このことを追記するのが遅れた事をお詫びする。